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読んだものとか、学んだこととか

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 を読んだ

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門 (角川書店単行本)

最近仕事で、DXという文脈で発生する、新規事業企画・開発のプロジェクトに携わることが多くなってきました。 私は、デザイン思考やUXデザインといった方法論を使いながら、企画を作っていきプロトタイプ開発、PoCなどをしています。

サービスを作っていく中で、ユーザから、良いね!や面白そう!といった言葉をいただくことはあるものの、 ただやはり事業として企画するものなので、経営層やマネージャ層からは「これがビジネスとして成立するのか?」が、 とても気にされるポイントであり、単にユーザからウケている、という話をしても納得してもらえないことが有りました。

説明時には、ビジネスの根拠として、事業計画・収支計画、といったものも作るのですが、 目標売上やコストといった数字は、それなりに推定や競合分析などで算出することができるものの、 数字に対する説得感や納得感みたいなところは弱く、いまいち腑に落ちないようなことが有りました。 そのため、売り方やほんとに売れるのか?という疑問に対する説得感・納得感を生み出すべく、マーケティングを学んでみようと思いました。

そこで、社内のマーケティングをやっている方に、おすすめの本や研修があるか聞いてみたところ、本書籍を紹介されました。 (実際には、マーケティングの講座みたいのを受けたほうが良く、講座内でケーススタディなども有り実践的に学べるようです。) 本書籍では、USJのV字回復を成し遂げた森岡さんという方がP&Gで学んだマーケティング論をカスタマイズした内容を、 実際にUSJで実践したマーケティングの事例などを交え、紹介されていました。

私が本書籍を読んで思ったことは、 ・マーケティングは、デザイン思考やUXと関連することが多い ・エンジニアは、マーケティングも学んでおくべき という2点です。

前者は、マーケティングが、ユーザ(消費者)視点に立ってどう売れるようになるか仕組みを考えること、というこの本の説明があり、 ユーザ中心にサービスや製品開発を行うことするための方法論であるデザイン思考やUXデザインと、とても親和性の高いものを感じました。 書籍の中で挙げられた話とUXデザインとマーケティングの関連性としては、以下のようなことが挙げられます。

  • 予期的なUX=認知や興味を引くための体験設計
  • エピソード的UX=製品を如何にリピートさせるかの仕組みづくり
  • 累積的UX=売り場でどうユーザに製品を思い出してもらうかの仕組みづくり、コミュニケーション戦略

また、マーケティングでもペルソナといったターゲットの定義も行いますし、 ”売れる”サービスのユーザ体験をデザインする上で、マーケティングは欠かせないものだと感じました。

そして後者は、このユーザの理解を、UXとしても、マーケティングとしても理解したエンジニアがいることによって、 ビジネスサイドと同じ視点を持って開発をすすめることができ、よりチームとして理想に近づく思ったからです。

エンジニアは、技術視点でサービスを捉えがちですが、 実際にサービスを使うのはユーザであるため、UXによる使いやすさや前後の体験だけでなく、 どうしたら買ってもらえるか、お金を払って契約してもらえるか、というところにまで考えが巡らせられると、サービスはより良いものになります。

具体的なサービスに落とし込む場合に、技術的観点からもビジネスと乖離しない改善点や仕様提案だけでなく、 細かいところでは、使いやすいUIや画面遷移、情報設計ができます。 これは、サービスをより良いものにする一つのチームとして、あるべき姿だと思いました。

そのため、エンジニアとしての本分は失わないようにしつつ、 マーケティングをどうサービス開発や機能開発に活かせるか、引き続き勉強していこうと思いました。